琉球風水でみる、マンションの選び方と暮らし方

図面と方位のイメージ

琉球風水とは、本土の風水とは少し異なる沖縄に伝わる風水のこと。前回の【琉球風水とは?知っておきたい基礎知識】の記事に続き、今回はマンションを選ぶときやマンションでの暮らしに役立つ情報を沖縄風水アカデミー代表の和来龍先生に琉球風水について教えていただきました。

この方にお話しを伺いました!
沖縄風水学のイメージ

和来龍さん

沖縄風水アカデミー 代表/琉球風水師、風水設計コンサルタント

島根県出雲市生まれ。鳥取大学大学院修了。工学修士。卒業後、建設コンサルタント会社にて関西国際空港建設時の環境アセスメント調査などに関わるが、生死を彷徨う大病にかかり臨死体験を経て奇跡的に回復。これをきっかけに運勢学や風水を研究するようになる。1995年から沖縄に拠点を移し、住宅やマンションの風水設計を行っている。2020年4月から琉球新報『週刊かふう』にエッセイ「一望無垠 風水看がみる景色」を月一回連載中。

著書
『幸せを呼ぶ琉球風水』
(https://www.amazon.jp/dp/4899820437)

『「沖縄風水学」入門』
(https://www.amazon.jp/dp/4899824378)

琉球風水師 和来龍のおもしろ琉球風水
(https://ryukyufusui.com/)

琉球風水でマンション選び

風水で選ぶ高層マンション選びのイメージ

前回の記事でも紹介しましたが、琉球風水で考える「いい住まい」とは自然と調和していること。琉球風水は地理学、気候学、土木学、建築学、環境学などさまざまな要素を考慮し、安全で快適に生活するための学問です。

風水には占い的な要素もありますが、それは誰にでも同じ結果をもたらすものではありません。ここでは、誰にでも同じ結果をもたらす自然の摂理を重視したマンションの選び方を中心にご紹介します。

立地と建物をチェック

まずは立地が自分たちに合っているかどうかを確認しましょう。職場や実家の近くや慣れ親しんだ場所など、自分たちにとっての住みやすさと直感的に「心地よい」と思える場所がベストです。

そして、周辺環境も大切。集合住宅で風水的に吉とされるのは東から南の向きにベランダがある建物ですが、周辺に日差しを遮る大きな建物がある場合、方角にこだわる意味がありません。日当たりや風通しの良さを重視してください。

そのほか共有スペースや駐車場、エレベーター、避難経路、ゴミ出しの位置など、心地よく安全に暮らせる建物かどうかを事前に知っておく必要があります。

間取りをチェック

住みたいマンションが絞り込めたら、部屋の位置と間取りのチェックです。一番は東南の角部屋、次いで東から南にベランダがある部屋がおすすめです。

広さや部屋数は好みですが重要なのは、家事動線や生活動線がスムーズに設計されていること、窓を開けたら空気が流れて素早く換気できることです。

浴室や洗面室に窓があって外気と換気できる間取りが風水的には好ましいですが、マンションでは水まわりに窓を設置できない場合も多いので、その場合は換気扇の性能や水キレの良さ、抗菌・抗カビ加工など、掃除がしやすく清潔さを保てるかどうかを確かめてください。

日当たりと風通しがよく、明るく湿気がこもらず清潔な環境が保てることが風水的に良いとされる間取りです。

財運をチェック

運気の流れで気を付けたいのは「財運」。財運は水に引かれるので、水まわりや水が溜まる場所が影響します。お金の運と生命エネルギーの活動的な気は玄関から家の中に入り、水槽やトイレ、バスタブなど溜まっている水に吸収されると考えられています。

運気や生命エネルギーは水蒸気みたいなもので、風に乗って流れ水があるところに吸い込まれて溜まります。トイレや浴槽に財運が入っていくのですが、排水するときに一緒に外に流れ出てしまうので、トイレの位置とそのドアの開き方が重要となります。

マンションではトイレが玄関の正面や玄関寄りの場所に配置されていることが多く、外から入ったお金の運気がそのままトイレの水に吸い込まれて流されてしまい、家の中にお金の運が溜りにくくなってしまいます。

この場合はトイレのドアの開き方が重要です。玄関側に扉が開くドアは財運がトイレに入り込みやすいですが、室内側に開くドア、室内側から人が出入りするドアは財運が家の外に漏れにくくなります。

暮らしに琉球風水を取り入れよう!

風水羅針盤の写真

気に入った場所と間取りでマンションを選んだら、各部屋の使い方やインテリアでぜひ琉球風水を活用してみてください。

方角の特徴を活かす

方角に良い悪いはなくそれぞれ特徴があるので、その特徴を活かして住み心地のよい家づくりを考えてみましょう。

●北側の部屋

冬は寒いですが、陽射しが穏やかで落ち着く静かな場所とされています。家で仕事をする人は北向きに窓やベランダがある部屋を仕事部屋にすると、集中できて仕事がはかどります。

●東側の部屋

東側は朝一番に光が差し込む場所なので、寝室があれば気持ちよく目覚めることができます。朝の陽射しは清々しいだけでなく紫外線の殺菌作用で部屋が浄化されるため、家族が集まるLDKなどにも適しています。

また、1日中快適さが保たれるので学習意欲や集中力が高まる方角ともされ、子ども部屋にもおすすめです。

●西側の部屋

西日が強い部屋はインテリアに涼しげな色彩を取り入れてエネルギーを調和させると良いでしょう。金運の方角なので黄色も良いとされていますが、壁紙やカーテンを黄色にしてしまうとエネルギーが強すぎて疲れてしまいます。黄色はアクセントとして取り入れる程度がおすすめです。

●南側の部屋

南は太陽の照り返しが強くまぶしいので、緑色が入っているカーテンにすると光を適度に吸収し涼しげな印象になります。人が出入りする賑やかで活動的な方角なので、リビングやお客様を招き入れる客間に適しています。

財運を高める

財運の流れは先述した通りですが、その流れを利用して財運を高める方法があります。玄関から入ってきたお金の運気を受け止めて貯めるのです。

おすすめは水槽。実際に香港などでは財運を高めるアイテムとして水槽が好まれています。玄関から近いほうが財運を貯えやすく、特に玄関正面の水槽は吉とされています。

また、玄関から中に入ったお金の運気は壁に囲まれた隅に溜まるので、家の隅に金庫を置くのもおすすめです。

こだわり過ぎないことも大切!

風水でいい感じの3人家族のイメージ

風水にこだわり過ぎない、とらわれ過ぎないというのも大切な考え方です。こだわるとキリがないですし、本当に自分たちが住みたい家というのが見えなくなってしまいます。

住みたい場所、住みたい家で心地よく暮らすために自然と調和することを考える。これが琉球風水です。マンションの間取りを見たときやモデルルームに行ったとき、この部屋で家族が楽しく暮らしているイメージが描けたら、きっと自分たちに合っている物件でしょう。

また、引っ越しは準備の段階から忙しく生活環境が大きく変わるので、ストレスや疲れ、緊張感などから体調を崩しやすくなります。「家相が悪いから」「引っ越した方角が悪いから」「引っ越しの日取りが悪かったから」など何でも風水のせいにせず、体調管理に気を付けてください!

まとめ

「風水が優先されるのではなく、自分たちの暮らしやすさを重視するべきです」と和来龍さん。大切なのは自然に逆らわない、無理をしないで心地よく暮らすことだそうです。

自然に従って生きる琉球風水の考えを取り入れて、素敵なマンションライフを楽しんでください♪

 

取材・文/仲西なほ子

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