秋、暮らしと文化が交わる沖縄。 ――「ことことじかん」4選で見つける、豊かな住まいのヒント
11月の沖縄は、文化の香りがゆっくりと街に満ちる季節。琉球歴史文化の日、文化の日──そんな穏やかな空気の中で、ふと自分の暮らしを見つめたくなる瞬間があります。今回ご紹介する「ことことじかん」の4本は、沖縄の“暮らしの文化”を丁寧に紡いだ人気記事たち。ヒヌカン、琉球風水、ユタ、正月料理──どれも日々の暮らしを少しあたためてくれる、静かな知恵の物語です。
ヒヌカンを迎えるということ。──火の神様が見守る、日々のはじまり。
▶︎ 記事:プロに聞く!ヒヌカンを引っ越し先にお迎えするお作法
https://emoh.okinawa/column/466/
引っ越しを終えたあと、最初に迎えるのは家具でも家電でもなく“火の神様”。そんな考え方が、沖縄の暮らしには今も息づいています。記事では、香炉の選び方から灰の扱い、旧暦の日に行う「仕立て」の意味までを、やさしい言葉で紹介。IHコンロのあるキッチンでも、ヒヌカンの居場所をつくる工夫が語られています。神様を祀るというよりも、“暮らしを整える儀式”としての所作。マンションの小さなキッチンにも、そっと灯せるぬくもりがあります。
風と光に導かれて。──琉球風水が教えてくれる、心地よさの選び方。
▶︎ 記事:琉球風水でみる、マンションの選び方と暮らし方
https://emoh.okinawa/column/925/
琉球風水とは、“自然と調和して生きるための知恵”。この記事では、方角や日当たり、水まわりの配置など、古来の知恵を現代のマンションに活かす方法が紹介されています。「東南の風を取り込む」「玄関を清らかに保つ」──そんな小さな習慣が、暮らしの流れを整える鍵になるのだとか。風と光の通り道を意識して過ごすと、不思議と心も軽くなる。こだわり過ぎず、心地よさを大切に。そんな琉球の感性が、静かに暮らしを導いてくれます。
直感を信じて、住まいを選ぶ。──ユタが語る“縁ある場所”との出会い。
▶︎ 記事:ユタに聞く、住まいの選び方と注意点3選
https://emoh.okinawa/column/1711/
「家は“縁”で決まるもの」。そう語るのは、ユタ/直感コンサルタントのRINOさん。記事では、家選びのときに感じる“違和感”や“流れ”を見逃さない大切さを教えてくれます。契約がなかなか進まない時は、もしかすると“止める力”が働いているのかもしれない──そんな視点にハッとします。直感を信じるというのは、スピリチュアルではなく、自分を信じること。今の暮らしに少しでも「合わない」と感じたら、次のステップへ動き出す勇気もまた、暮らしの知恵のひとつです。
正月の食卓に、琉球の香りを。──“おせち”ではなく“おもてなし”の心で。
▶︎ 記事:沖縄の正月料理はおせちじゃない?沖縄ならではの料理と自宅での楽しみ方をご紹介(前編)
https://emoh.okinawa/column/3219/
沖縄のお正月に“おせち”はありません。その代わりに並ぶのは、ラフテーやクーブイリチー、イナムドゥチなど、豚と出汁の香りが広がる琉球の祝い料理。記事では、それぞれの料理に込められた意味や、家庭で気軽に楽しむ工夫が紹介されています。100円ショップの器で東道盆風に盛り付けるアイデアも素敵。伝統を重く感じるのではなく、今の暮らしの中に自然と取り入れていく──そんな温度感が、ことことじかんらしい“やさしい文化の受け継ぎ方”です。
文化は、静かな日常の中にある。
火の神様、風と光、直感、食卓。4つの物語に共通しているのは、「暮らしの中に心を置く」ということ。どれも特別なことではなく、今日からそっと始められることばかりです。文化とは、守るものでもありますが、本質は“積み重ねる時間”。
静かな日常の中で、自分らしいリズムを整える。その延長線上に、沖縄の文化がやさしく息づいています。
取材・文/新垣 隆磨