プロが教える収納術vol.1
新築マンション編
新築マンションを購入したら、引っ越す前に収納術を学んでおきましょう!
整理整頓されたリビングやキッチンにしたいなら、引っ越しのタイミングが一番のチャンス。
収納の考え方や引っ越し前の段取りなど、アイディアいっぱいのプロの技を整理収納コンサルタントの森門あゆみさんに教えていただきました。
森門あゆみさん
整理収納コンサルタントオフィス Ayu’s Style 代表/整理収納コンサルタント
沖縄県宮古島出身。男の子3人を育てる専業主婦から整理収納コンサルタントとして起業し、「片づけ=やり方×マインド」を追求した「理想の暮らしを手に入れる片付けのコツ」を発信している。整理収納サポートは7年間で800時間、整理収納アドバイスは1,000件以上という実績を持つスペシャリスト。新築収納プランニングはこれまで13件。現在は女性のみならず、男性の方への片付けに対する意識改革を行うため、企業のコンサルティングや社員研修も行っている。
収納プランは引っ越す前が肝心!
引っ越し先が決まったら、やるべきことの一つとして重要なのが収納プラン。引っ越しは整理整頓しやすい家づくりの最大のチャンスです。特に戸建て住宅や分譲マンションを購入した場合、最後の引っ越しになる可能性もあるので、このタイミングを逃してはいけません。「住みながら片づけよう」という考えはおすすめできません!まずは森門流収納プランで、引っ越しまでの段取りをイメージしてみてください。
新居での暮らし方をイメージする
住む場所が変わるということは、暮らし方や生活スタイルも一新されます。新しい家での生活をイメージし「こういう風に暮らしたい」という理想の暮らし方を決めましょう。
例えば、すっきりシンプルに暮らしたい。趣味を楽しみながら暮らしたい。人が集まる賑やかな暮らしがしたい。など、どんな暮らし方が心地よいか、家族で考えてみてください。
理想の暮らし方が決まったら、家族で共有しそれを軸にします。軸がしっかりしていれば、家具やインテリアを選ぶときも迷ったりブレたりせず、スムーズに進みます。
持ち物を決める
引っ越しの荷造りをする前に、持ち物を整理しましょう。家の中の物を全て使う物と使わない物に仕分ける、これは整理収納の基本ステップです。使う物だけを新居に持っていきます。
「取りあえず全部持って行って、新居で整理しよう」なんて考えてはいけません。新居に持ち込んだら最後、大抵の人は後回しにしてしまいます。
ほとんどの場合、引っ越し先の方が広くて収納も充実していることが多く、現在所有している荷物は全て収納できるでしょう。なので、「収納する場所があるから、そこに入れておこう。処分しなくても大丈夫」と考えてしまいがちです。
でも、使わないと分かっていながら手間やお金をかけて運ぶのはもったいないと思いませんか?使わない物をしまっておくのは、いくらゆとりがあるとはいえスペースの無駄使いです。
引っ越す前に物を整理する!この作業が引っ越しを楽にしてくれます。
置く場所を決める
持っていく物が決まったら配置を決めます。なんとなく決めるのではなく、図面やVRモデルルームを見て、毎日の生活を想像しながら決めましょう。
キッチン用品でも「お鍋はここ、毎日使う食器はここ」などと細かく決めていきます。また、それぞれ、隠す収納にするのか見せる収納にするのかなどもイメージできるといいですね。
※VRモデルルームについてはこちらの記事をご参考ください。
収納アイテムを決める
配置が決まれば、必要な収納アイテムが見えてきます。収納スペースが足りない場合は、棚やラックの買い足しが必要となります。
また、作り付けの収納スペースにもボックスやケースなどの仕切りが必要です。ここで気を付けてほしいのは、入れる物や使い方が決まる前にスペースのサイズだけに合わせた収納アイテムを購入しないこと!
よくあるのは「押し入れの奥行に合わせた衣装ケースを購入したけど使い勝手がよくない」という事例。シーズンオフの物をしまう分には奥行のあるケースでもいいですが、毎日使用する物を入れると、奥に手が届かなかったり開け閉めが大変だったりと面倒です。
この場合は、奥行きの短い衣装ケースを購入し、その奥に普段使わない物をしまうのが正解。
収納ボックスやケースはスペースに合わせて選ぶのではなく、入れる物や使い方に合わせたアイテムを選んでくださいね!
収納アイテムの詳しい選び方は次回の記事でご紹介します!
新築分譲マンションはオプションを利用!
新築分譲マンションを完成前に購入した場合、収納スペースやカップボードなどをオプション工事で追加することも可能です。
作り付けにしてもらえば、サイズも素材もピッタリなのですっきり統一感が保てるので、ぜひ活用しましょう。
カップボードやカウンターの下にゴミ箱を隠すスペースを設ける、収納庫にコンセントを付けて掃除機を充電出来るようにする、など、生活をイメージすれば必要な場所に必要な物を設置してもらうことが可能です。
オプション工事で出来ることは物件によって異なりますが、大切なのはタイミング!建設が進むと出来ないことも増えてくるので、早めに購入を決めるのも住みやすい家づくりのポイントです。
※物件によって条件が異なりますので、詳細は販売スタッフにご確認、ご相談してください。
キレイを保つためには?
持ち物、配置、収納用品が決まれば、あとはそこに納めるだけなので、引っ越しの片付けも楽々。新居に移ったらすぐに、快適な新生活がはじまります。
でも、引っ越しがゴールではありません!入居時の整理整頓されたキレイな状態をいつまで維持できるのか、不安な人も多いと思います。日々のちょっとした努力も必要ですが、決め手は定期的な大片付け!
年末の大掃除と同じように、年に1、2回、物を整理する大片付けを行いましょう。生活をしていれば物が増えたり散らかったりするのは当たり前。
そして、家族の成長に合わせてライフスタイルも変化しますよね。最初に決めた収納方法や考え方が合わなくなってくることもあります。
必要なのは「暮らし方の整理」。物の整理と一緒に、今の暮らし方に無駄はないか、足りないことはないか、と、定期的に見直してみましょう。
ライフスタイルは変わる、ということを前提に柔軟に対応すると良いですね。
続きは次回の記事でご紹介します!
まとめ
「収納プランは引っ越す前から、家を購入したときから始めましょう!」と森門さん。引っ越し前は各種手続きなどやることが多くて後回しにしてしまいがちですが、ここは頑張りどき!新居での暮らしがぐっと楽になりますよ♪
森門さんの収納術は「楽に暮らす」が大前提。ちょっとの工夫や手間が生活をぐっと楽にしてくれます。次回の記事もぜひご期待ください!
取材・文/仲西なほ子