プロが教える収納術vol.2 片付け楽々編

リビングにて洗濯物を移す女性のイメージ

プロが教える収納術の第2弾は「楽々片付け編」です。整理整頓は、片付けのルールや仕組みをつくってしまえば簡単!今回も楽してキレイを保つためのポイントを、整理収納コンサルタントの森門あゆみさんに教えていただきました。

前回の引っ越す前に知っておくべき収納術については、こちらの記事をご参考ください!

プロが教える収納術vol.1 新築マンション編

この方にお話しを伺いました!
整理収納コンサルタントオフィス Ayu's Style 代表 森門あゆみさん

森門あゆみさん

整理収納コンサルタントオフィス Ayu’s Style 代表/整理収納コンサルタント

沖縄県宮古島出身。男の子3人を育てる専業主婦から整理収納コンサルタントとして起業し、「片づけ=やり方×マインド」を追求した「理想の暮らしを手に入れる片付けのコツ」を発信している。整理収納サポートは7年間で800時間、整理収納アドバイスは1,000件以上という実績を持つスペシャリスト。新築収納プランニングはこれまで13件。現在は女性のみならず、男性の方への片付けに対する意識改革を行うため、企業のコンサルティングや社員研修も行っている。

https://ayusstyle.okinawa/

整理整頓は自分が楽になるためにやる!

旦那様が転勤族で、結婚後に6回も引っ越しを経験したという森門さん。引っ越しを重ねるうちに、自分なりの整理整頓のルールや片付けの仕組みが確立され、引っ越しだけでなく日々の暮らしも楽になったそうです。

ポイントは、自分に合った方法で散らかりのリバウンドを防ぐこと、散らかってもすぐにリセットできる仕組みをつくること。収納方法の基本をベースに、それぞれのライフスタイルに合った持続可能な片付け方で、「簡単、楽してキレイ」を実現してみませんか?

「すぐに片づく」仕組みが大事

すぐに片付く方法を説明レクチャーしている森門あゆみさん

新居での暮らし方をイメージする

基本は、物の場所を決めて誰もが分かる状態にすること。爪切りやハサミなど日常的に使う細かい物の定位置を決めてラベリングします。散らかっても決まった場所に戻すだけなのでリセットが早く、「これはどこにしまうんだっけ?」「あれはどこにしまったっけ?」など、考えたり探したりする余計な時間も省くことができます。さらに、全てが収納ボックスに収まっているので引っ越しや模様替えのときもそのまま運べて楽々です。

仕組みをつくるのはひと手間ですが、そこはじっくり時間をかけて丁寧に。一度つくってしまえばライフスタイルが変わるまで長く使えるし、快適な暮らしが続くので頑張りましょう! 新しい物が加わったときには、取っておくのか処分するのか、古いものと入れ替えるのか、どこに入れるか、などを判断するだけでOKです。

片付けの仕組みづくりは未来への投資です。片付けが簡単になったり、家族が迷わなくなるので家を守る主婦の負担が軽減されます。そして何より「あのごちゃごちゃにはもう戻れない!」という快適な暮らしが手に入るのが一番ですね!

暮らし方は変化することが大前提

新しい暮らしをイメージ

今の暮らしをベースに片付けの仕組みを考えますが、どんな変化にも柔軟に対応できることを前提にしてください。子どもが巣立つ、介護のため親と同居する、など家族は減ったり増えたりするもので、その都度暮らし方も変わります

収納ボックスも変えられないものより変化できるものを基準に選ぶのがポイントです。形の異なるボックスを組み合わせても並べられる、重ねられる、いつでも同じものが買い足せる、などを考慮して選ぶといいでしょう。

大手メーカーの製品だと色や規格が統一されており、いつでもどこでも同じシリーズが購入できるなどのメリットがあるのでおすすめです。初めから変化することを前提にしておけば、ライフステージに合わせて「今の暮らしが快適になるスタイル」に柔軟に変えることが可能です。

整理整頓、収納のポイントはコレ!

整理整頓には収納ボックスやケースなどのアイテムが必要です。部屋をすっきり見せる、広く見せるための収納や家具の選び方、配置などのポイントを教えていただきました。

色・面・列を揃える

色、面、列を揃えて配置した収納のイメージ

家具や収納ボックスは部屋のインテリアに合わせて統一感を持たせるのが基本です。特に見える場所に置くものは、素材や色を合わせます。例えば、キッチン回りは白の鏡面塗装、リビングはダークブラウンの木材など、素材や色を決めてから買い揃えるようにしましょう。

収納ボックスや衣装ケースはいくつも組み合わせて重ねたり並べたりするので、サイズや形にも気を付けてください。面や列、高さを揃えるとかなりすっきり見えます。前に出っ張っていたり高さや列がデコボコしていると、狭く見えるだけでなく、片づいていてもごちゃごちゃした印象になってしまいます。

床・壁の面積を見せる

床、壁を見せたお部屋のイメージ

床や壁は面積が見えれば見えるほど、家は広く見えます。家具や収納は飛び出さずに面を揃えて高さを低くすると、圧迫感がなく空間に広がりを感じることができます。

また、壁に余計なものを貼らないこともポイントです。壁にいろんなものを飾っていると余白がないので狭く見え、ごちゃごちゃした印象になります。見せたいものだけを飾ればインテリアとして映えるので、余白を大事にしてください。

冷蔵庫に貼ってしまいがちな日々のメモや忘れてはいけないお知らせなどは、冷蔵の正面ではなくリビングから見えない方の側面かキッチン収納の扉の裏など、隠れた場所に移動するだけでかなりすっきりします。

ラベリングはメッセージ

ラベリングした収納の活用

収納ボックスを同じ色や形で揃えると統一感が出てすっきり見える一方、どこに何をしまったかわからなくなってしまいますよね。そこで、中身を一目瞭然にするために活躍するのがラベルですが、「ラベリングは家族に物の場所を教えているという意味もあります」と森門さん。「どこに何があるか書いてあるから、自分でできることは自分でやってね」というメッセージなのだそうです。

「爪切りどこー?」と聞かれても「書いてあるでしょー」と答えればいいし、そのうち家族も自分で探すことに慣れてくるそう。どこに何があるか明確なだけで、お互いにストレスなく楽に暮らせますよ! 

「キレイ」はすぐに再現できる!

掃除機をかけてお部屋を綺麗にしている女性のイメージ

いつもきちんと片づいていると思いきや、「ずっとキレイなわけないです!男の子3人いるんですよ、すぐに散らかります」と、森門さん。でも、片づく仕組みが整っているので、「すぐ散らかるけど、すぐキレイにできる」そうです。キレイを再現するコツも教えていただきました。

戻す場所が決まっているからといって、「後でまとめてやろう」と散らかりをため込んではいけません。ひどく散らかった状態から一気に片付けようとすると、体も心も疲れてしまいます。

空いた時間に毎日ちょっとずつ、片付けを習慣にするのがコツです。手っ取り早いのは、お客様を家に招くこと。やらざるを得ない状況をつくるのですが、その場しのぎで「とりあえずこっちに全部いれとこう!」というのはダメ。ちゃんと決まった場所に戻すのが鉄則です。

片付けを習慣にするためには、続けられるやり方であることが重要です。整理整頓や片付けのやり方に正解はないんです。収納ボックスの中もきっちり仕切って細かく定位置を決めたい人もいれば、ボックスの中は乱雑だけど入っている物はちゃんと把握できる人もいるので、自分に合った方法を見つけてください。無理なく心地よくできるやり方で仕組みをつくれば、散らかってもすぐにキレイが再現できます!

しかし、小さなお子さんがいる家庭はどうしても物が増えてしまうので、「仕組みをつくってもうまくいかないかも……」と不安になってしまいますよね。子育て真っ最中の場合は片付けの考え方や工夫が異なるので、詳しくは次回の記事でご紹介します!

【プロが教える収納術vol.3_子育て編】(近日公開)

まとめ

片付けが上手になったら、時間の使い方も上手になりますよ」と、森門さん。片付けは、誰かのためにやるのではなく自分が楽になるためのもの。片付け上手になって、空いた時間で好きなことができるといいですね!

次回は子育て中の片付けのお悩みを解消する収納術をご紹介します。ぜひ、ご期待ください!

 

取材・文/仲西なほ子

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