プロが教える!沖縄の米軍人向け賃貸投資について
米軍人向け賃貸というものをご存じですか?
沖縄には数多くの米軍基地がありますが、あまり耳馴染みのある言葉ではないと思います。
沖縄県中北部で盛んに行われている米軍向け賃貸は「米賃(べいちん)」と呼ばれており、人気のある不動産投資のひとつです。
今回は一般の賃貸との違いや米賃の人気エリア、投資をする上でのメリット・デメリットなど、気になるポイントを株式会社リョウエンタープライズさんにお伺いしました!
株式会社リョウエンタープライズ
営業/宅地建物取引士 川端一成さん
米賃とはどういうもの?
米軍人向け賃貸は略して「米賃(べいちん)」と言われていますが、これは米軍人、軍属向けのアパートや一戸建てを賃貸として貸し出すことです。軍人や軍属は、基地の中に住む方もいますが、基地の外での居住を希望している方もおり、その方たちを対象としたのが米賃です。
最初から米賃の目的で物件を建てる方もいますが、分譲マンションを購入後、転勤などの事情で家を離れるタイミングで米賃として切り替えるというパターンもあるそうです。
入居者向けの物件掲載はFacebookが主流となっており、通常のマンションサイトに比べて英語での記載があることが理由の1つだそうです。沖縄のハウジンググループでまとめて掲載しているページがあり、そこに登録して募集を掛けているのだとか。
また、米賃としての物件は一般的な賃貸とは違って、事前に米軍住宅課検査官による検査があります。
その際に、基地が定めているいくつかの基準を満たさなければなりません。安全性や環境面、衛生面や米軍人が生活する上で必要な設備が整っているかなど、基地内のハウジングオフィスから検査官が訪れ、軍検査を行います。条件を満たし、検査に合格した物件が、軍人・軍属の方と契約できる物件として認められるのです。
検査に必要な物と検査の流れ
川端さんによると、軍検査をパスするために必要な物があるとのこと。
そこで、どんな物が必要になってくるのか、一般的な分譲マンションの場合の項目をお伺いしました。
・エアコン(各部屋に必要) 容量 LDK4.0K~5.0K、寝室2.2K
・冷蔵庫 容量 350L程度
・洗濯機 容量 7.0K程度
・衣類乾燥機 容量5.0K程度(洗濯機と2IN1のドラム式洗濯乾燥機でもOK)
※ガス衣類乾燥機の備え付けがある場合は、それを使用します
・キッチン止水栓 キッチンシンクに水が溜められるように蓋を設置
・駐車場に部屋番号表示
・カーテンレール(各窓)
・消火器やガス警報器等の防災機器の設置
その他にも、基地検査官の指示や物件状況により、改修改善を必要とする場合があります。
また、入居される方の要望により、電子レンジや食器棚、その他の設置をお願いする場合があるとのことです。
軍検査の流れとしては、
①賃貸として出したい物件をやり取りをしてくれる不動産に預ける
②軍検査の準備、米軍住宅課へ検査申し込み
③合格したら賃貸可能物件として登録、不合格なら修繕 → 再検査を行う
④条件に合った入居者が見つかれば、契約して入居
という流れになるそうです。最短で1か月で契約になることもありますが、シーズンやタイミングによっては入居が決まらない場合もあるとのこと。スムーズに契約まで進むには、事前に入居者が動くシーズンを確認しておくことが大事になってきます。
ニーズとしては春から夏にかけてが特に多く、これは、日本の4月がアメリカでは9月にあたるため、入学時期や新生活に合わせて引っ越しを考える方が多いからだそうです。
また、アメリカでは7月の初旬頃から夏休みに入るため、子どもの長期休みに合わせて移動する家族も多いとのことです。
一般賃貸との違いは?
米賃と聞くと、一般賃貸と違って部屋の広さや天井の高さ、家具の大きさなど、特別な仕様でなくてはいけないのでは….?と考えてしまいそうですが、近年入居者のニーズも変化しているようです。
これまでの外国人向けの住宅よりも、海外に住んでいる友人などに自慢できる日本ならではの特性を生かした一般的な分譲マンションなどのほうが最近では求められているとのこと。
また、エリアに関しては中部が多く、その理由としては、物件を探す方は嘉手納基地で勤めている方が多いからだそうです。嘉手納基地から離れれば離れるほど入居者が少なくなり、リスクが高くなるため、リョウエンタープライズさんでも、嘉手納基地の各ゲートから15分圏内で物件を探すのをおすすめしているとのことですよ!
米賃のメリット・デメリット
米賃で1番のメリットとしては、家賃が高いことがあげられます。一般の賃貸として貸し出すよりも、米賃として貸し出した場合、約16~30万となっており、大きく違いがあることが分かります。
米賃住宅の家賃の仕組みとして、軍登録家賃と貸出家賃の2つがあります。
軍登録家賃とは、軍検査を実施した物件に対して、オーナーの方の要望に応じて軍側が設定する家賃のことです。これが物件に対して軍側が支給する家賃の限度額となります。
貸出家賃とは、入居するお客様が支払う家賃のこと。軍人の方は、登録家賃を上限として家賃手当を軍から貰っており、階級や家族構成によって手当を受ける額が変わります。家賃手当は上限額までしか支給はされず、反対に、上限額に対して家賃額が低い場合はその金額までしか支給されないことになっています。
金額の高い家賃の入居者が動くシーズンもあれば、比較的金額の低い入居者や単身者、ファミリーなどが動くタイミングもあり、時期によってニーズはさまざまなので、希望の家賃設定で入居までスムーズに進めるためにも、募集のタイミングは随時チェックしてみてもいいかもしれません。
家賃が高いことから、不動産投資として魅力的な米賃ですが、デメリットもあります。
それは、タイミングと家賃設定が上手くいかないと入居者が入らない期間が長くなってしまうということ。
スムーズにいけば物件登録から契約まで約1か月ほどで進みますが、シーズンを逃してしまったり、高すぎる金額設定をしてしまった場合、入居者がなかなか決まらず、空室を埋めるのに苦労してしまいます。
また、アメリカの情勢に合わせて、政治的な面での変更があった場合、それに従わなければならず、日本の法律ではなく、基地内のルールの中での運用となるため、基地側の指示に従わなければいけない部分での難しさもあるといいます。
最近では、物件の軍検査が5年に1度だったのに対して、退去するたびに検査の更新が必要になり、検査を受けるまでに2か月ほどブランクが生じるため、オーナーさんの負担が大きくなってしまったのもデメリットの1つです。
まとめ
不動産投資として魅力的な米賃。
やったことのない方にとっては運用するまでの難しさや不安もあるかと思いますが、リョウエンタープライズさんでは、オーナー様とお客様との橋渡しをし、安心して経営できるように様々なサポートをしてくれるとのことです。
米賃について気になっている方は、ぜひリョウエンタープライズさんに相談してみてください!
きっと安心して米賃の運用ができるはずです!
emoHでも米賃対象の物件を掲載しているタイミングがありますので、お気軽にお問い合わせ下さい。