ライフプランナーが教える家計にやさしい分譲マンション購入法【ソニー生命保険②】
前回の【住宅購入の第一歩はライフプランニング!】に続き、ソニー生命保険株式会社 那覇ライフプランナーセンター第2支社のライフプランナー、稲福和也さんにお話を伺いました。今回は、新築分譲マンションなど住宅を購入する際に必要なお金の知識をまとめました。
稲福和也さん
ソニー生命保険株式会社
那覇ライフプランナーセンター第2支社
第3営業所
ライフプランナー
1級ファイナンシャルプランニング技能士
地元の琉球銀行に7年半勤務し、2年目に住宅ローンや教育ローン等消費者ローンを担当。3年目より法人個人の融資業務に携わっていた。資産運用の仕方や住宅ローン・教育ローンの組み方のアドバイスを得意としている。「お客様が思い描く人生を実現させるためのお手伝い」をモットーとしている。
ソニー生命保険株式会社
https://www.sonylife.co.jp/
那覇ライフプランナーセンター第2支社
那覇市おもろまち1-1-12那覇新都心センタービル7F
電話:098-901-5202
分譲マンション購入前に確認するべき3つのポイント
新築分譲マンションを購入したいと思ったら、「頭金」と「名義」について夫婦で話し合いましょう。また、ローン返済額以外にも毎月かかる「維持費」も知っておくべきポイントです。
頭金はいくら準備する?
「県内の銀行は頭金なしでも低金利で長期ローンが組めるので、最近は『頭金なし・長期返済』で新築分譲マンションを購入する方が多いと感じます」と、稲福さん。「分譲マンション購入者の大半は、子どもが小さかったりこれから増えるという家族なので、頭金よりも子育て資金や教育資金を優先することも考えた方がいいでしょう。また、頭金を貯めている期間も家賃は発生しているので、家賃を払い続けるより、頭金なしで早く購入した方がいい場合もあります」
頭金を多く入れた方がいいというのは、ひと世代前のこと。バブル期の1990年頃は変動金利で最大8.5%を記録しています!今から30年前の1994年でも平均約4.0%でしたので、ネット銀行を利用すれば0.5%以下の金利でローンが組める現代とは利息負担が全然違うのです。
※金利は仮定、ボーナス返済なし
※上記数値は、所定の条件のもとで算出したものですので、あくまで参考値としてご覧ください。
ネット銀行の場合、金利は低いけど借入期間は35年が基本で、沖縄の銀行だと金利は少し上がりますが借入期間は最長50年まで可能です。
バブル期は利息負担を軽減するために、頭金を少しでも多く入れて借入期間を短くするという考え方が主流でした。しかし今は金利が低いので、頭金を入れずに返済期間を長く組み、毎月の返済額を減らして生活にゆとりを持たせるという考え方が浸透しています。金利が上がるときや子育てが一段落して家計にゆとりが出る頃に繰り上げ返済をするなど、タイミングを見て返済プランを見直せば利息も軽減できます。
夫婦共有名義がお得かも?
分譲マンションなど住宅を購入する際には、誰に所有権があるかという「名義」を明確にする必要があります。所有権が一人の場合は「単独名義」、所有権が複数人いる場合は「共有名義」といいます。
共有名義にはメリット・デメリットがありますが、夫婦でローンを返済する場合は共有名義にすると、住宅ローン控除が夫と妻それぞれで受けられるのでお得になる可能性があります。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を購入すると一定期間、年末のローン残高の0.7%相当額を所得税、住民税から控除される制度です。新築分譲マンションを購入した場合は13年間控除が受けられますが、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅の場合、省エネ基準を満たす住宅でない場合は住宅ローン控除を受けられないので注意してください。
これについてはコチラの記事もご確認ください。
【沖縄でも増加中!ZEH-M(ゼッチマンション)って何? 】
住宅ローン控除は、ローン契約者の所得税と控除対象の住民税の範囲内で適用されるので、ローン残高が高くても所得税額と住民税額が少なければ最大額の控除は受けられません。
例えば、年末のローン残高が4,000万円の場合最大控除額は28万円です。
4,000万円×0.7%=28万円
夫の所得税と住民税の合計額が20万円、妻の所得税と住民税の合計額が15万円と仮定した場合、夫の単独名義では20万円の控除までとなり、妻の所得税と住民税は控除を受けることができません。しかし、夫婦共有名義だとそれぞれ14万円ずつ控除を受けることができます。
※上記数値は、所定の条件のもとで算出したものですので、あくまで参考値としてご覧ください。
※2024年現在の税制・税率に基づき作成しております。また、税制・税率は将来変更されることがあります。なお、個別の取り扱いにつきましては、お客様自身にて所轄の税務署又は税理士にご確認ください。
所得によって税額は変わるので、単独名義と共有名義それぞれの場合の住宅ローン控除額をシミュレーションしてみるといいでしょう。
また、どちらも正社員で働いている場合は、共有名義にした方がローン審査が通りやすいというメリットもあります。
ただし、「住宅ローン控除」という面においてはメリットとなるケースがある一方、家族構成や将来のライフプランの変化によっては「連帯債務」がデメリットとなるケースもあるため、実際に住宅ローンを組む際はプロに相談することが重要です。
毎月の維持費はどのくらい?
分譲マンションを購入すると、マンションを維持するための費用がかかります。住宅ローン返済額とは別に毎月支払う費用があるので、事前にどのくらいかかるのかチェックし、無理のない返済プランを立てましょう。
共有部分の光熱費や清掃費用など、日常的な管理維持にかかる「管理費」と、10~15年ごとに実施される大規模修繕のために毎月少しずつ積み立てる「修繕積立金」が主な項目となります。
国土交通省「平成30年度マンション総合調査」によると、九州・沖縄地方のマンション管理費の毎月平均額は1戸当たり10,369円、修繕積立金の毎月平均額は1戸当たり10,244円となっていますが、マンションの規模やグレードによっても異なるので物件ごとにしっかり確認してください。
また、物件によっては2台目の駐車場代やトランクルーム使用料などがかかる場合もあるので、見落とさないようにチェックしましょう。
分譲マンション購入時に知っておくべき3つのポイント
物件も決まっていよいよ分譲マンションを購入!となったら、「保険」と「初期費用」、「引っ越し費用」について次の点を確認しましょう。
保険の見直し
住宅ローンを契約するとき、多くの金融機関は「団体信用生命保険」(通称:団信)の加入を条件としています。団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者が万が一死亡、または高度な障害状態になってしまったときに、残りの住宅ローンの支払いを肩代わりしてくれる生命保険です。
既に生命保険に加入している場合、保障が重複しないか確認しましょう。例えば、5,000万円の分譲マンションを購入した場合、5,000万円の死亡保障の団信に加入することになります。既契約の生命保険が3,000万円の場合、合計8,000万円分の生命保険に加入し、毎月保険料を支払うことになります。
それが家族にとって適切な保障、保険料なのかを見直す必要があります。場合によっては既契約の生命保険を減額してもいいかもしれません。また、最近では団信の特約もバリエーションが増えているので、特約の選び方もポイントとなります。
稲福さんも、保険の見直しは重要と話します。
「団信加入後も、既契約の保険をそのままにしている方が多いのが現状ですが、実際に見直したり団信の特約をアドバイスすると、非常に喜んでいただいています。保険に関してはやはりプロのアドバイスをが必要となるので、ぜひ、ライフプランナーや保険の担当者に相談してください」
物件価格以外の初期費用
分譲マンションなど住宅を購入する際には、初期費用といわれるお金もかかります。登記の際に必要な登録免許税や司法書士に支払う報酬。住宅ローンの申し込みに必要な住宅ローンの事務手数料、住宅ローンの保証料。そのほかにも、売買契約書などに貼る印紙税や不動産取得税など、さまざまな登録に必要な費用や税金があります。
新築分譲マンションの場合、物件価格の3~5%程度が目安といわれています。5,000万円のマンションだと低めに見積もっても150万円ほど。けっこう大きな金額です。しかし、初期費用はローンに組み込むことができるので、物件価格に上乗せというイメージになります。
ローンに組み込めない引越し費用
新しいマンションには、新しい家具家電を揃えたいものです。しかし、引越しにかかる費用はローンに組み込めないので、手持ち資金からの持ち出しとなります。
オーダーカーテン、大型テレビ、ソファ、ダイニングテーブルセット、冷蔵庫、洗濯機など、新調したいものはたくさんあるはず!家具家電にどのくらいの予算がかけられるか事前に試算し、新調するもの、持っていくものを吟味しましょう。
繰り上げ返済は慎重に!
住宅ローンを利用して分譲マンションなど住宅を購入したら、毎月の返済が始まります。35年、50年と長い年月利息を払い続けることを考えると、「早く完済したい!」という思いから、まとまった金額ができたときに繰り上げ返済をしたくなるでしょう。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別にまとまった額を返済すること。例えば300万円を繰り上げ返済した場合、ローン残高の元金が300万円減り利息も減らすことができるので、効果的な返済方法といえます。
しかし、今あるローン返済ばかり見ていませんか?まとまった金額ができたら返済に充てるのもいいですが、将来のお金も考えましょう。10年後、15年後に子どもが大学に進学する年齢になるなら、その300万円を運用して教育資金に充てるのもいいでしょう。繰上げ返済せずに運用で資産を増やす方が結果を出せるかもしれません。
繰り上げ返済をする・しないは、家族や経済動向のタイミングもあるので、自分たちを良く知っているプロ、担当ライフプランナーに相談すると一番いいアドバイスがもらえるでしょう。
まとめ
ライフプランニングは住宅の購入や出産、転職などライフイベントの度に見直す必要があるので、担当のライフプランナーとは長いお付き合いになります。いつでも相談でき、親身になってアドバイスをくれる担当ライフプランナーがいることは、とても心強いことです。
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【住宅購入の第一歩はライフプランニング!】
取材・文/仲西なほ子