おうち時間をワインでアップデート!ナチュラルワインの世界

ナチュラルワインアイキャッチ画像

ホリデーシーズンが近づく季節。おうち時間が増えると、自宅での楽しみ方を工夫したくなりますよね。そこで今回は、今話題の「ナチュラルワイン」に注目し、ワインが日常に加える新しい価値をご紹介します。

この方にお話しを伺いました!
諸見里さん

 

諸見里健吾さん

株式会社aseetpro(アセットプロ) 諸見里保険 代表取締役

不動産業界を経て保険業界に転身。50年以上続く家業の諸見里保険に入社し、3代目として法人を設立。損害保険や生命保険を取り扱う。一方で、趣味で親しんできたナチュラルワイン好きが高じ、2024年6月に「MOROMIZATO INSURANCE ワインバー」を開店。ナチュラルワインの伝え手としても日々活動する。

  

MOROMIZATO INSURANCE ワインバー
住所/那覇市壺屋1-4-15 コントラストビル1F
Opening Hours20:00-27:00
Close 土・日 ※予約の場合調整します
※テーブルチャージ500円頂いております。
インスタグラムアカウント:moromi_wine

ナチュラルワインとは?

ナチュラルワインコラム素材①

数多あるワインジャンルのひとつとして聞いたことがあるけれど、、なんだか難しそうでよくわからない・・・そう感じる人も多いのではないでしょうか。ナチュラルワインとは、農薬や化学物質を使わずに栽培されたブドウを使用し、自然な醸造方法で作られたワインのこと。知れば知るほど奥が深い世界なのです。

クラシックワインとの違い

一般的に主に流通しているのは「クラシックワイン」。その違いとして、ナチュラルワインは酸化防止剤や保存料、砂糖などを使わずに熟成したブドウ果汁のみで作られます。ブドウ本来の味わいがストレートに感じられて体にも優しく、二日酔いになりにくいといわれています。またナチュラルワインの味わいは、その年の気候やぶどうの出来によって毎年異なるため、一つひとつが特別な一本なのです。

ナチュラルワインの歴史や文化

カスピ海と黒海に挟まれたコーカサス地方、ジョージアが起源とされるナチュラルワイン。その歴史は古く、紀元前6000年頃、今から8000年も前から親しまれていたとされています。「世界最古のワイン産地」とも呼ばれているそうですよ。1970年代にはフランスで「ナチュラルワイン運動」が始まりました。ワイン造りにも自然なアプローチを取り入れたいと考える生産者が増えたことや、近代では自然環境や持続可能な農業への関心の高まりと合わせて、ナチュラルワインを選ぶ消費者が増えているのです。

ナチュラルワインの種類

ナチュラルワインは「白ワイン」と「オレンジワイン」がメインです。「白ワイン」とは、白ブドウをプレスして抽出したブドウジュースを発酵させる製法。「オレンジワイン」は、白ブドウをジュースと種・皮で分けて漬け込み、一度雑味を出してから発酵させる製法です。仕上がりが黄金色に近い色合いになることから「オレンジワイン」と言われています。

ナチュラルワインの魅力

諸見里さんは、ナチュラルワインの魅力を「まるでクラフトビールのように、それぞれの生産者の個性や土地の風味が色濃く表れるところですね」と語ります。作り手の人生までもが味わいを通して伝わってくるほどに、果実味が強く深い味わいが楽しめます。飲み比べていくと、土地を大切にしている人が作っているんだなと感じられるようにもなるそうですよ。

「MOROMIZATO INSURANCE ワインバー」ってどんなところ?

2024年6月8日、遂に「MOROMIZATO INSURANCE ワインバー」を那覇市壺屋に出店した諸見里さん。お店とナチュラルワインへ込めた思いを聞きました。

諸見里さんの出店ストーリー

ナチュラルワインコラム素材②

元々、お酒はあまり飲む方ではなかったという諸見里さん。そんな諸見里さんがナチュラルワインと出会ったのは5~6年ほど前、ナチュラルワインを提供する料理店でした。果実味が強くエレガントな味わいに惹かれると同時に、店主が元ワイン醸造家だったそうです。作り手へ思いをはせながら飲んでいるうちに、ナチュラルワインの世界へとはまっていきました。

そして、ナチュラルワインを収集している内にそのコレクションは約80本に。自宅でも抱えきれなくなるほどのワインを前に、以前から挑戦してみたいと考えていたバーの出店を決意しました。

お店のこだわり

ナチュラルワインコラム素材③

カウンター7席とスタンディング席が用意されている店内は、「諸見里保険」で代々テーマカラーとして使用されてきたグリーンを基調にした落ち着いた雰囲気。クラシカルなスピーカーや店舗の形に合わせて台形にカットされた大理石のテーブルも、シックな大人な雰囲気を醸し出します。外観に合わせ、ワインセラーもガラス張りに仕上げることで、オープンな空間が広がります。

ナチュラルワインコラム素材④

内装やインテリアは、不動産業界時代の経験を生かして諸見里さん自ら設計。大工さんの協力を得ながら工事とDIYを行い、こだわり抜いて作り上げました。

取り扱いワインのこだわり

ナチュラルワインコラム素材⑤

セラーには、イタリアやフランス産のワインが200本以上ストックされており、果実味が華やかでエレガントな味わいを楽しめます。「一杯でもインパクトのあるワイン」を選んでいるそうで、ただの飲み物としてではなく、作り手の熱い思いや土地の個性を味わえる「作品」として伝えたいという諸見里さんの思いが込められています。

ナチュラルワインコラム素材⑦

今後の取り組み

「沖縄のワイン人口を増やしたい」と語る諸見里さんは、地元の飲食店や他のワインバーと連携し、ワインと料理のペアリングイベントの計画も進めていくとのこと。さらに、月に一度開催しているジェラートとワインのペアリングイベントも好評のようで、ナチュラルワインの多彩な魅力を発信し続けています。沖縄の方々に「ワインはもっと身近で楽しめるもの」と感じてもらいたいと語ります。

ワインの飲みやすさや味わいの豊富さをを伝える活動をしていく予定で、諸見里さんが初めてナチュラルワインを飲んだ時に感じた、「味の幅広さを感じてほしい」と目を細めながら話されていたのが印象的でした。

日々の暮らしにワインを取り入れるアイディア

クリスマスやお正月など、皆で集うことが多くなる季節。お家での楽しみにもぴったりだからこそ、ナチュラルワインを始めてみませんか?

お料理に合うワイン

例えば、クリスマスには果実味のあるパンチの効いた味わいのワイン。おせち料理などには、繊細な味わいのものやオレンジワインがぴったり。イベントや特別なディナーにも華やかなワインを添えれば、食卓が一層華やかに彩られます。

自宅で楽しむワインの選び方

ナチュラルワインコラム素材⑦

一本一本との出会いが重要なナチュラルワインは、生産数も少ないことから量販店で手に入れることは難しく、専門店でプロのアドバイスを受けながら選ぶのがおすすめです。特に壺屋や松尾は知る人ぞ知るナチュラルワインの盛り上がりを見せているエリア。フランスやイタリアのナチュラルワインを中心に取り扱っている専門店もあるので、試飲しながら好みに合うワインを選べます。

ナチュラルワインの味わいなどに詳しくなると、好きな醸造家やワイナリーで選ぶこともできるようになります!

ワイングラスの世界

良いワインを味わうためには、適したグラス選びも重要です。どっしりとした樽感のあるワインや、パワフルな味わいとグッと香るワインには、香りが滞留するボウルの大きいグラスを。カジュアルで飲みやすいワインには、細身のグラスが適しています。諸見里さんのおすすめは、ハンガリーの「ワイネックス」というブランド。手吹きで作られたエレガントなグラスを使うと、さらにワインの味わいが引き立ちます。

ナチュラルワインコラム素材⑧

グラスの洗い方にもポイントがあります。グラスのボウル部分と脚の部分で分けて拭くことで汚れが残りにくくなり、破損を防ぐことができます。また柔らかいスポンジを使用し、優しく洗うと良いとのこと。グラスは繊細なので取り扱いには要注意。収納時は、そのほかの食器と同じく棚に収納し、丁寧に取り扱いましょう。

まとめ

味わいから歴史まで、奥が深いナチュラルワインの世界。ブドウが栽培された土地や作り手の情熱に思いをはせることで心が豊かになり、より充実した時間が過ごせること間違いありません。今、話題の「ナチュラルワイン」をあなたも始めてみませんか!

取材・文/札本咲子

Related Posts 関連記事