春に合わせてお家空間も心機一転!記憶に残る香りで、我が家を特別な空間に!

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春は異動などに伴い、引っ越しする方も増えるシーズン。新築マンションへの引っ越しを控え、家具やインテリアの選定に心躍らせることも多いでしょう。そんな中、意外と見落とされがちな要素が「香り」です。視覚や触覚だけでなく嗅覚にアプローチすることで、住まいはより豊かで心地よい空間へと生まれ変わる!今こそ取り入れたい、香りのテクニックを紹介します。

この方にお話しを伺いました!
ゴタスさん

 

富田唯さん

株式会社ゴタス 代表取締役

   

バーテンダーから転身し、アロマの世界へ。個人事業を経て12年前にゴタス株式会社を設立。香りのプロフェッショナルとして沖縄県内のリゾートホテルを専門に、香りの空間デザインを手がける。
   
Gotas(ゴタス)
https://gotas.jp/
Gotasオンラインショップ
https://gotas.stores.jp/
   

 心踊る新築マンション住まい!香りってどんな役割?

   
春は、異動や就職
   
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進学などスタートの季節。新築マンションへの引っ越しや、引っ越しはなくとも、模様替えや新しい生活などを始める人も多いのではないでしょうか。その空間をより心地よく、自分らしく演出するために欠かせないのが「香り」です。インテリアなどの視覚だけでなく、香りはリラックス効果や気分転換、記憶との結びつきなど、日々の暮らしに深い影響を与えます。自分だけの特別な空間を彩るために、「香り」の役割を見直してみませんか?

「ゴタス」ってどんな会社

   

ゴタス株式会社は、ホテルの空間に最適な香りをデザインする専門企業です。代表の富田さんは、元々バーテンダーとしてキャリアをスタート。出産を機にバーテンダーの職を離れ、模索する中で見つけた「香りの学び」に興味を持ったことが転機に。「私がその場にいなくても、多くの人に心地よさや幸せを提供したい」という思いから、香りをプロデュースする道を選びました。

現在法人化して12年、業界歴は17年に及びます。その間、ショップや病院などでの試験的な取り組みを経て、最も適した場としてホテル業界にたどり着きました。「ホテルは多くのゲストが訪れる場所であり、スタッフやお客様の反応を通じて香りの効果を実感できるのが魅力だ」と、富田さんは語ります。
   

「ゴタス」のサービス内容

   

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ゴタスが行うのは「香りによる空間デザイン」。ホテルのコンセプトや色合い、家具の質感や使用される建材まで、空間の客観的な情報をもとに香りを組み立てます。そのようにして、その場に自然に溶け込む香りを独自に開発し、提供しています。その空間の状況や雰囲気を香りにする…なんだかマジックみたいですね!

香りをデザインするってどういうこと!?

   

「視覚の情報を嗅覚に落とし込むこと」。これが富田さんが語る香りのデザインです。例えば、内装に大理石や石材を多用した空間であれば、「ひんやりとした空間=冷たい印象=ミント」という風に、嗅覚の情報に結びつけ、涼やかな香りを組み合わせることで視覚と嗅覚の調和を生み出す、ということなのだそうなのです。

「バーテンダーとしての経験も、香りのプロデュースに大きな影響を与えている」と富田さんは語ります。バーテンダーとして数々のリキュールや原材料を理解し、その情報をもとにお客様の好みに合ったカクテルを提供していた経験が、香りのブレンドにも生かされているというのです。まさに視覚と嗅覚の連想ゲーム!そこには富田さんの経験にも基づく柔軟な発想力があるのですね。
   

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編集部は富田さんから香りのサンプルを頂きました。頂いた香りは、「ホテル日航アリビラ」、「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」、「ホテルストレータ ナハ」、「カフーリゾートフチャクコンド・ホテル」、「ホテルローカス」の香り。柑橘系、スパイス系、ウッディーな香り、フローラルな香りと、全く香りが異なるのはもちろん、その説明文と香りがピッタリと一致していることにとても驚きました。まさにプロの技!  
 

「合成香料」と「天然香料」の違いとは?

  

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香料には大きく「合成香料」と「天然香料」があることを知っていますか?「合成香料」は、化学反応を利用して人工的に作られた香料で、石油や石炭などの原料・天然原料、化合物などを用いて製造されているものです。

「天然香料」は、世界中の植物から蒸留して抽出した香料のこと。植物の数=香料の数になるため種類は限られますが、その分素材本来の香りを楽しむことができます。自然界に存在する香料は約600種類と言われているそうです。
  

「ゴタス」が大切にしていること

 

富田さんが扱うのは「天然香料」で、中でも得意にしているのは、人々に受け入れられやすいと言われれている100種類の香料をベースにブレンドした香り作りです。

沖縄県内の名だたるリゾートホテルで、香りによる空間デザインを手がける富田さん。そのこだわりは「主観や好み、こだわりを持たないこと」だそう。「ご自身のバリエーションをたくさん持っているに違いない」と思っていた筆者はとても意外でした。
 

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「あくまでホテルの香り」という考えから、建材の色やその素材だけでなく、手で触った感触・空間に占める割合・家具の材質などの情報で判断するとのこと。例えば石材が白であれば軽めの香り、黒に近い色だとずっしりとした香りやスモーキーな香りなど、空間に合わせた香りを導き出しています。実際にホテルの担当者も「どの香りが良いか」と考え出すと迷子になってしまうそうで、そういった場合には主観を除き「このホテルにどんな服を着せたらいいかな、という客観的に考えていくと、自ずとホテルや空間に合った香りになる」と教えてくれました。まさに感覚を研ぎ澄ませたプロフェッショナルですね。
 

「記憶に残る香り」って?我が家を特別な空間にしよう!

 

香りは記憶と深く結びついていて、ふとした瞬間にあの時あの瞬間の思い出を呼び起こす力がありますよね。我が家を特別な空間にするためには、自分や家族にとって心地よく、癒しを感じられる香りを選ぶことが大切です!
 

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日常生活シーンにおいての香り

   

富田さんのアドバイスでは、玄関スペースやリビング、ダイニングなど空間によって香りを変えるのは「あまりお勧めしない」とのこと。その理由は「鼻が疲れるから」。ついつい色々な香りを家の中に散りばめたくなりますが、実は身体を疲れさせることにもなっていたとは、プロのアドバイスになんとも納得です。

富田さん曰く、「好きなオイルの瓶を用意し、一つの香りをゆったり楽しむことがおすすめ」だそうです!そうすると生活空間の中で満足度が上がり、心も落ち着くに違いありません。分かりやすく例えると「一回の食事でラーメンもパスタも…と矢継ぎ早に食べるとお腹が大変になりますよね。香りも同じようなことが言える」と富田さんからわかりやすいアドバイスを頂きました。

色々な香りを楽しみたい人は、今週の香り・今月の香りという風に楽しむと良いですね!
   

アロマセラピーで心や身体に変化も。生活シーンとの結びつき

   

アロマセラピーではよく「ラベンダーの香りは入眠に良い」など、香りと見込まれる効果とを合わせて言われていますよね。これも使い方はそれぞれ。ひとつの香料は、塩やコショウのように調味料の役割を担っているといい、それらがうまく調合されたブレンド香料を長く使うのがおすすめ。

お気に入りの香りで、自分だけの空間を作ろう!

   

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日常的に使うのであれば、大手雑貨店やインテリア店のアロマコーナーで香料をゲットするのがおすすめ。お家時間には長時間でも香りに酔いにくく、植物など自然由来の天然香料をチョイスするのがベターです!

グレープフルーツ、レモン、ベルガモットなどの柑橘系の香りであれば、嫌いな人も少なく喜ばれやすいでしょう。香りは、多くの人は子どもの頃からミカンなどの柑橘系に親しんでいることから、香りへの拒絶反応が少ない植物だと言います。
   

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まずは、既製品でブレンドのオイルを手に取ってみてください。そのあとに、その香料の成分や内容を見て、自分で好きな香料を足したり、単独の香料を混ぜ合わせてブレンドに挑戦してみても良いですね!

ネットには調合の親和性の高いオイルを紹介する記事もあるそうなので、それぞれにお気に入りの香りづくりをしてみても楽しいですね!
   

 「あの場所のあの香り」を思い出す。場所と香りの密接な関係って?

   

旅先は経験した誰にとっても特別な時間と空間。家族や友人、恋人でも日常から離れて過ごした時間の香りは、その人しか楽しめない人生の一部の香りですよね。

実は、嗅覚は五感の中で一番原始的な情報収集方法で、男性より女性の方が強く反応するんだとか。かつては、食事を作る女性が食べ物が腐っていないかどうかを鼻で判断していた、といういわれもあるそうです。

「香りづくりにおいては、全身で心地よく鼻が疲れない・びっくりしない香りの方が、空間としての居心地がよい」と富田さんは語ります。

また、旅先などその土地にしかない精油も入手できる場合があるほか、宿泊先のホテルがオリジナルのフレグランスを販売していることもあります。香りをお土産として持って帰ると、旅先の光景が香りでよみがえり、思い出話がさらに盛り上がることでしょう。
   

まとめ

   

新しい生活、いつもの空間に毎日落ち着いたりワクワクする香りを取り入れませんか?

   

「非日常をたのしむ(旅先の香りを持って帰る)こと」と「好きな香りを持っておくこと」の2点が重要だ、と富田さん。旅先の香りは、友達と行った記念日のレストランなどその時の情景で価値が付きますし、好きな香りは今日食べたいものを選ぶように気分で選んでOK。生活に調味料のようなアクセントを加えるイメージで選んでみてください!
   

「ゴタス」であの場所の香りに出会おう!

   

富田さんは自身の仕事について「あくまでホテルの裏方でお客様の声を聞けることはないが、お客様から『毎年結婚記念日にこのホテルの香りを買う』とメールをもらったときには、誰かの記憶の一端になっていると思うと感慨深い」と笑顔を見せます。

「ゴタス」の手がける香りは、自社オンラインショップから求めることができるほか、各ホテルのショップや売店などでも出会うことができます。ぜひチェックしてみてください!
   

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嗅覚が面白いのは、その時の感情なども思い出させてくれる、昔の記憶にアクセスする楽しみがあることです。いつもの変わらない日常に、リラックスできる香りをプラスすることで、ワンランク上のホテルライクな生活を体験できます。ぜひ新生活に合わせて心地の良い香りに包まれた空間に出会いませんか!

   

取材・文/札本咲子

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