簡単&お手軽!初心者におすすめのテーブルコーディネート術

テーブルコーディネートとは、食器やグラス、カトラリーなどのテーブルウェアをコーディネートして食卓を飾る演出のこと。「高級な食器やセンスの良い食器がたくさん必要」「準備が大変そう」などと思ってしまいがちですが、そんなことはありません!テーブルコーディネートは日常的に楽しむものです。そこで今回は、心ときめく食空間を創造する食空間コーディネーターの大木綾子さんに、初心者におすすめの簡単テクニックやコツを教えていただきました。

大木綾子さん
Grazia代表/Aya’s Table Style主宰/食空間コーディネーター
那覇市出身。日本航空国際線客室乗務員として9年間乗務。CA時代に培ったインターナショナルな感覚とグローバルワイドな食経験を生かし、パーティープロデュース、店舗ディスプレイ、パンフレット撮影、イベント企画、食空間に関するコンサルティング業務などオールマイティーに手掛けている。また、「食卓から広がる 美味しい・楽しい・幸せな毎日」をコンセプトに、カルチャースクールやホテルなどでテーブルコーディネートレッスンや季節や行事を楽しむ簡単おもてなしクッキングレッスンも開催。
Aya’s Table Style Blog:http://ayastablestyle.ti-da.net/
テーブルコーディネートの楽しみ方とは?
テーブルコーディネート:Aya’s Table Style
テーブルコーディネートは食空間をおしゃれに演出するだけでなく、さまざまな効果や影響をもたらしてくれます。その魅力と楽しみ方をご紹介します!
テーブルコーディネートの効果
テーブルコーディネートは食事を“心豊かに美味しく楽しく食べる”ための演出です。毎日のことだからこそ“美味しく楽しく”したいですよね。
人は五感を使って美味しいと感じるのですが、その割合はなんと視覚が87%なのだそうです!その他、聴覚7%、嗅覚3%、触覚2%、味覚は1%というので、食事における視覚効果はとても重要です。
食卓がおしゃれにコーディネートされていると、より美味しいと感じ、気持ちも豊かになり、会話が弾み、幸福な時間が過ごせます。ひと手間加えてテーブルがちょっと華やかになるだけで、こんなにもたくさんの効果があるんです!
家族をもてなすことを楽しむ!
お客様をお招きして素敵なテーブルコーディネートでおもてなしをする、という楽しみ方もありますが、毎日家族と囲む食卓も“おもてなし”と考え、まずは家族を楽しませることからスタートしてみましょう。
その延長で、子どもの誕生日会におじいちゃんおばあちゃんを招待する、イベントの時に子どものお友達やママ友を招待する、休日に夫婦の友人を招待する、という感じで少しずつおもてなしの範囲を広げてみてはいかがでしょうか。
特に子育て中の方は、お誕生日やハロウィン、クリスマスなどの行事を子どもと一緒に思いっきり楽しむことをおすすめします。思い出をたくさん作りながら、お子さんの感性を育むことにもつながります。
完璧じゃなくてOK
テーブルコーディネートといっても大げさに考えず、いつもの食卓にランチョンマットを敷いたりお花を一輪飾ったりと、それだけでもいいんです。そして、テーブルウェアだけでコーディネートを完成させないことも大切。
お皿に料理が盛り付けられ、テーブルに人が座ることでコーディネートは完成します。少し物足りないコーディネートにしていた方が、盛り付けた料理が映えるのです。テーブルコーディネートは食卓の脇役的存在。主役はあくまでも“料理と人”なんです。
初心者におすすめ!簡単コーディネート術
テーブルコーディネート:Aya’s Table Style
楽しみ方が分かったら、実践してみましょう!初めての方でも挑戦できる簡単なテクニックを教えていただきました!
基本の5アイテムを揃える
テーブルコーディネートは5つの基本アイテム、食器・グラス・カトラリー・テーブルリネン・フィギュアが揃って完成となります。
カトラリーはナイフやフォーク、お箸など食事に使う道具のこと。
テーブルリネンはランチョンマットやテーブルランナー、クロスなど食卓で使う布の総称。
フィギュアはテーブルに置く小物のこと。花やキャンドル、季節感のある置物、ソルト&ペッパーなどもフィギュアとして使えます。
食器、グラス、カトラリーは普段から食卓に並んでいるはずなので、あとはテーブルリネンとフィギュアを加えるだけ!このひと手間で食卓がグッと素敵になります。簡単にできるのは、ランチョンマットと箸置きをプラスすること。
余裕があれば、小さな花器にお花やグリーンを挿して飾りましょう。わざわざお花屋さんで買わなくても、観葉植物の葉っぱや家の周りに咲いている花や葉を摘んで飾るだけで格段に華やぎます!
テーマを決める
おしゃれな食器やフィギュアを並べるだけでも見映えはいいですが、テーマを決めることでコーディネートがきれいにまとまり、素敵度が増します。慣れないうちは誕生日や記念日、クリスマスやお正月など大きなイベントから始めるといいですね。
食器はコレを使って、何色をメインにコーディネートして、料理はアレにしよう!など、事前にプランニングしてみましょう。頭の中のイメージを紙に書き出して、ああでもない、こうでもないとプランを練る時間も楽しみのひとつです。
イベントがない普段の日は、好きな色や好きなモチーフ、料理や食材など何をテーマにしてもOK。その日や天気や気分、たまたま聞いた音楽からインスピレーションが湧くこともあります。
自分の中に“今日のテーマ”があると毎日の料理や食卓のセッティングが楽しくなるので、日常的にテーマを決めることをおすすめします!
やり過ぎないこと
飾り過ぎない、はりきり過ぎないなど、“やり過ぎ”ないように気を付けてください。アイテムをたくさん使ってコーディネートするとゴチャゴチャして素敵じゃなくなり、毎日がんばり過ぎたら疲れてしまってテーブルコーディネートを楽しめなくなります。
イベントの日は事前にプランニングして思い切り楽しむけど、普段はランチョンマットや箸置き、フィギュアで少し季節感を出すだけ。など、メリハリをつけて自分が楽しいと思うやり方を見つけてください。相手を楽しませるだけでなく、自分も楽しむことが大事なポイントです!
また、やり過ぎたテーブルコーディネートは、その場に座る人たちが引いてしまう場合もあります。例えば、上等なテーブルクロスや高級な食器ばかりで揃えると、お客様は「汚しちゃいけない」「傷付けてはいけない」と思い、食事を楽しむことができません。
相手が気を遣わずにリラックスして楽しめる空間づくりを心掛けましょう。
買い足すならまずはコレ!おすすめアイテム5選
画像提供:Aya’s Table Style
いきなり食器をフルセットで購入するのはハードルが高いので、小物や使いまわしができるアイテムから少しずつ揃えてみてはいかがでしょう。手軽に買えて、あると便利なおすすめアイテムを紹介します!
白い丸皿
25~27cmの白い丸皿が人数分あればオールマイティーに使えます。前菜を盛り付けたり、お皿を重ねてアンダープレートにしたりとテーブルコーディネートの基本のお皿となります。
華やかな絵柄のお皿を重ねるとモダンに、有田焼のお皿を重ねると和風になり、どんなスタイルにも合うので使い勝手も抜群。まずはシンプルな白のお皿からスタートしてみましょう!
ペーパーナプキン
一番遊べるアイテムはペーパーナプキン。フォーマルなおもてなしでは布のナプキンを使いますが、カジュアルなシーンではペーパーナプキンでもOKです。
大木さんは「見つけたら買う。可愛い、面白い、と思ったら買ってストックしておく」そうです。価格もお手頃で収納場所にも困らないから、色やデザインのバリエーションを豊富に揃えておくといいですね。ペーパーナプキン1枚でコーディネートの幅が広がります。
ランチョンマット
ランチョンマットやプレースマットと呼ばれる食器を置くための敷物は、布製だけでなく木製やプラスチック製、樹脂製などもあるので、汚れにくくさっと拭ける素材のものがおすすめです。
和風の場合は「折敷(おしき)」という木製や塗りのプレートを使いますが、半円形のプレースマットで和風を演出することも可能です。素材、色、形別に数種類あると便利。裏表色違いで使えるタイプを選べばお得です!
箸置き
小さいながらも存在感のある箸置き。毎日の食卓でも活躍し、箸置きだけでも季節感やテーマが作れる優れものです。
まずは四季を表す季節ものと、節句や行事をモチーフにしたイベントものから揃えると、1年を通して季節感が楽しめます。また、旅行先で見つけたご当地ものや、お祝いや記念日にまつわるものなど、思い出のアイテムとして増やすのもおすすめです。
お箸
お箸も色を変えるだけでコーディネートの幅が広がる便利なアイテム。黒・白・朱色は使い勝手のよい基本色、金・銀はフォーマルなコーディネートにぴったりです。
最近はカラフルでおしゃれなお箸も多いので、洋風のコーディネートにも合わせやすくなっています。好きな色や手持ちの食器に合わせて揃えるのもいいですね!
テーブルコーディネートに興味を持ったら……
毎日の食卓にひと手間加えるだけで、“心豊かに美味しく楽しく食べる” 空間を作れるテーブルコーディネート。ぜひ実践してみてくださいね。
テーブルウェアのセッティングにはマナーやルールがあるので、それさえ守れていればコーディネートは自由。イベントカラーをあえて外すなど、定番を崩して個性的なコーディネートで遊ぶのも楽しみ方のひとつです。
セッティングマナーの基礎を学びたい方やセンスを磨きたい方は、ぜひ大木さんの体験レッスンを受けてみて!おしゃれに楽しく、プロのコーディネートが学べますよ。
取材・文/仲西なほ子