「家族」と「幸せ」がキーワード!心理学で心地よく暮らすための家づくり vol.2

ielieコラムVol.2素材①

一級建築士で空間デザイン心理士®︎のまえうみさきこさんに、心理学を活かした家づくりを伺う全2回のシリーズ。後編では、今日からできる実践編として「心理学を活用した家族が円満になる家づくり」をご紹介します。
   

空間づくりは家族作り!心理学で心地よく暮らすための家づくり vol.1

   

この方にお話しを伺いました!
まえうみ

 

まえうみさきこさん

ielie(イエリエ) 代表

 

一級建築士、インテリアコーディネーター、空間デザイン心理士®︎、ライフオーガナイザー(脳科学の整理収納)
   
建設会社で一級建築士やインテリアコーディネーターとして20年間の勤務を経て、2021年に起業。キャッチコピーは「建てない一級建築士」。「住まいやオフィスの空間の悩みを心理学で解決する」ことをコンセプトに、「住まい診断」や間取りチェックなど住まいに関するコンサルティングを行っている。
   
ielie(イエリエ)
https://www.ielie.net/

 家族が円満になる家!整理整頓や掃除も心理学的な考察から、ワンポイントアドバイス♪

   
家庭が円満であるためには、家の空間が大きく関係してきます。心理学的な視点から見ると、家には大きく2つの空間が必要です。それは「家族が集う空間」と「家族が一人になれる空間」。これらのバランスをうまく取ることで、家族の関係がより良いものになるのです!
   
重要な空間として「リビング・ダイニング」「キッチン」「寝室」「個室」の4つに注目し、それぞれの整理整頓や掃除のポイントについてご紹介します。
   

リビング・ダイニング【家族が自然と集まる空間に】

   
リビングダイニングは、家族が集い、コミュニケーションを取る大切な場所。ここでは、会話が生まれるような家具配置を意識することがポイントになります。
   
ielieコラムVol.2素材②  
   

目線が合う家具の配置を

   
家族の会話を促すためには、座ったときに自然と目線が合うような家具配置が重要です。ソファの向きを調整したり、ダイニングテーブルの配置を工夫し、目線が部屋の中央に集まるようにすることで、家族同士が話しやすい空間を作れます。
   

パーソナルスペースの確保

   
家族であっても、適切な距離感が必要だと、まえうみさんは話します。前編の記事でも紹介したように、自分でコントロールできる空間を作ることは大切なことです。リビングには、家族それぞれがリラックスできる個別のスペースを用意しましょう。例えば、家族の人数分のくつろげる席を確保したり、一人で読書ができるコーナーを作るのもおすすめです。
   

リビング学習をサポートする収納術

   
子どもがリビングで勉強する「リビング学習」ですが、推奨される一方で教科書や文房具などでダイニングテーブルが散らかることにストレスを感じる親も少なくないといいます。そのため収納は「カテゴリ別」ではなく「個人ごと」に分けることが有効だそうです!カラーボックスを設置し、本やランドセルなどをそれぞれの専用スペースに収納すると、個人が責任をもって整理整頓する意識を向けることになるほか、探し物の時間が減り、整理整頓がしやすくなります。
   
ielieコラムVol.2素材③
   

キッチン【母だけの空間ではない!家族が関わりやすい場所に】

   
キッチンは、「お母さんの島」になりがちですが、家族みんなが気軽に関われる空間にすることで、より円満な関係が築けるとのこと。ではどのようにしたらいいのでしょう。
   

気軽に入りやすいレイアウトに

   
ielieコラムVol.2素材④

   
料理をする人だけが立ち入る場所ではなく、家族みんなが使いやすいキッチンを目指しましょう。例えば、キッチンに並んで立てる広さを確保すると、家族で一緒に料理を楽しめるようになります。
   
   
   

収納は家族みんなが分かりやすい収納へ

   
収納のポイントは、家族誰もが分かりやすいこと。それは「使う場所の近くに置く」ことです。例えば、シンクの下には洗剤や掃除用品、コンロの下には鍋やフライパンなどカテゴリー毎にし、一目でどこにあるか分かる収納にすることで、すぐに取り出せますし、家族が協力しやすくなります。
   

子ども目線での収納を

   
家族が食事の準備やキッチン周りの手伝いをしやすくするために、食器や調理器具は子どもでも取りやすい位置や分け方で配置しましょう。家族全員が使いやすい収納を意識すると、自然と家事の分担が進みます。
   

個室【家族といえど、 一人の時間を確保する工夫を】

   
リビングやダイニングで家族と過ごす時間は大切ですが、同じくらい、人に介入されずに自分自身でコントロールができる「一人の空間」も重要だとまえうみさんは語ります。
   

仕切りを活用して個室を作る

   
マンションなどで部屋数が限られている場合、カーテンやパーテーションを使って、簡易的な個室を作るのも効果的です。
   
ielieコラムVol.2素材⑤
   

子どもには個室を与えるべき・・・?

 
子どもが多い家庭では、個室を共有することが一般的ですが、それぞれの「自分のスペース」を作ることが重要です。特に、子ども部屋を2人1部屋で使う場合などは、カーテンや家具、パーテーションで仕切ってプライベートスペースを生み出すことも必要です。
 
ielieコラムVol.2素材⑥
  

寝室のコスパを上げる

  
寝室は寝るだけの空間ではなく、意外とパーソナルスペースとしても活用できるのです。例えば、寝室のデッドスペースにイスとテーブルを設置したり、押し入れやクローゼットの一部をワークスペースに変えると、一人になれる時間が確保しやすくなります。
  

これからマイホームを持つ方へ!「家族」と「幸せ」がキーワード

  
「いつか自分も・・・」と憧れるマイホーム。でも、ちょっと待って!マイホームの購入を決める前に、実は家族の中で決めることがたくさんあるのです。そのポイントについて、まえうみさんに伺いました。
  

マイホームを検討中に大切にしてほしいこと

  
住む家を決める前に行うのは「家づくり」。それは事前に理想の暮らしを明確にすること。「自分たちはどんな暮らしをしたいのか」を明確にしておきましょう。対面キッチン一つを例にとっても、家族の人数の分だけ使い方が変わってきますよね。「家を決める前に理想の暮らしを炙りだす家族会議が最重要!」とまえうみさん。
 
でもどうやって「理想の暮らし」を明確化すれば良いのか、ピンとこない人が実は大半だそう。そういった方は、「この家でどんなふうに子どもを育てたいですか?」「夫とは/妻とはどんな関係でいたいですか?」「どんな家族像が理想ですか?」「この家で家族とどんな思い出を作っていきたいですか?」というような、シンプルな質問を自分に投げかけてみるのが良いそうです。その答えの中に、本当に大切にしたい自分の価値観があるのです。
 
ielieコラムVol.2素材⑦ 

「家づくり」はマイホーム購入のどのくらい前から始める?

  
「家づくり」の家族会議は早ければ早い方が、しっかりと時間をかけて家族の「軸」を見つけることができるので効果的ですが、目安としては住む家を探す約半年前から話し合いを始めるのが時間的な余裕もあり、理想の住まいを実現しやすくなります。
  

「家づくり」はマイホーム購入のどのくらい前から始める?

   
「家づくり」の家族会議は早ければ早い方が、しっかりと時間をかけて家族の「軸」を見つけることができるので効果的ですが、目安としては住む家を探す約半年前から話し合いを始めるのが時間的な余裕もあり、理想の住まいを実現しやすくなります。
   

マンションの購入を考えている方へのアドバイス!

   
タイミングとして、モデルルームを訪れる前には「自分たちはどんな暮らしをしたいのか」を明確にしておきましょう!モデルルームでは、家具や観葉植物が配置されているほか、暮らし方まで提案されており、目にしたものにイメージや感情を引っ張られやすいとまえうみさんは語ります。自分たちはこの家でどんな暮らしをしたいのか、しっかりイメージすることは大切です。
   
そしてマンションの見学後には、なんとなく「いいね」「良かったね」と話すのではなく、「どの部分がよかったのか」を具体的に言葉にすることで、夫婦の価値観のズレを防ぐことができます。
   

「家は幸せな人生を送るため」のツール!まえうみさんからのメッセージ

   
まえうみさんによると、睡眠時間や食事の時間などを含め、「家」は人生の3分の1以上の時間を過ごす場所だと算出されているそうです。つまり、家の中で幸せな気持ちで過ごすことができれば、人生の3分の1が幸せだということ。不幸な気持ちで過ごせば、人生の3分の1が不幸だということになりかねません。
   
ielieコラムVol.2素材⑧   
   
「住まいは、自分にとって心も体も幸せな空間じゃないといけない。家族も大切にしながらも、自分自身も大切にしていく場所」と言葉を強めるまえうみさん。
   
家族それぞれが思いやり、1人ひとりを大切にすることで、それぞれの人生も豊かになりながら、家族が絆で結ばれ、唯一無二の関係を築くことができるのですね。それが「家づくり」で叶う。「家づくり」を通して「自分や家族がどんな人生を送りたいのか」を考え、一つひとつの空間を大切に設計していきましょう!
   
取材・文/札本咲子

空間づくりは家族作り!心理学で心地よく暮らすための家づくり vol.1

   

Related Posts 関連記事