いまさら聞けない、VRって何?
VRやメタバースなど、仮想現実や仮想空間が身近な存在になってきた今日この頃。でも、実際には「まだ体験したことがない」「聞いたことはあるけどよく分からない」という人も多いのでは?VRといえば、ゴーグルやヘッドセットを使用したゲームを連想すると思いますが、実は観光施設や不動産業界など、さまざまな分野で活用されています。新築分譲マンションのポータルサイトemoHでも、Web(ウェブ)VRのモデルルームを掲載しています。そこで、より多くの人にVRの魅力を知ってもらうため、デジタルスタジオ ガラパゴ代表の工藤さんにお話しを伺いました。
工藤敏雄さん
デジタルスタジオ ガラパゴ 代表/一級建築士
秋田県出身。琉球大学工学部環境建設工学科を卒業後、住宅の設計事務所、マンションのCGパース制作会社を経て、2009年にデジタルスタジオ ガラパゴを設立。建築パースの3DCGやVRを中心としたデジタルコンテンツの企画・制作を行う。デジタル技術のクオリティはもちろん、図面からデザインを起こすセンスにも定評があり、県外からの依頼も多い。emoHに掲載されているVRモデルルームのほとんどは、デジタルスタジオ ガラパゴが手掛けている。
VRとは?どんな体験ができるの?
VRとは仮想現実、「Virtual Reality(バーチャル・リアリティー)」の略称。デジタル技術によって作られた仮想世界を現実世界のように体感する技術のことです。
HMD(ヘッドマウントディスプレー)と呼ばれるゴーグル型のデバイスを装着すると360度視界の全てに仮想世界が広がり、より臨場感のある疑似体験ができ、まるで別世界に入り込んだような感覚が味わえます。
コントローラーやリモコンを操作することで自分の動きがVR映像に反映され、仮想世界の中でも自在に行動することができます。さらに、重力や傾きに対する身体感覚、温度や痛覚などの体性感覚を刺激する演出も増え、より現実に近い体感が楽しめるように進化し続けています。
しかし、このようなVRを体験するには専用のゴーグルやヘッドセットなどのHMDが必要となるので、なかなか体験できないのが現状です。そこで、気軽に体験できるVRとしてWebVRを利用したサービスも増えてきました。
WebVRとは?
WebVRとは、インターネット上で見られるVR全般のこと。ゴーグルやヘッドセットなどのデバイスを使用せずに、スマホやパソコンのブラウザでVR動画を気軽に、簡単に楽しめます。
機材を購入したりアプリをダウンロードしたりすることなく、WebVRを提供しているサイトにアクセスするだけでOK!マウスを動かしたり、スマホの画面をタッチすることで画面上のVR空間を移動したり、商品のパーツや色を変えたりと、自由に操作することができます。
インターネットが使える環境であれば、誰もが体験することができるWebVR。今後はさらに需要が高まり、さまざまなシーンで活用されることが予想できます。
VR、webVRはこんなところで活躍しています
VRはゲームや映像、アミューズメント施設のアトラクションなどエンターテインメント領域での普及が目立ちますが、ビジネスや教育現場でも導入が進んでいます。仮想現実の中ではさまざまな体験に挑戦することができ、物事の理解を深めたり経験値を高めることに効果的です。
では、それぞれの業界で、どのようにVRが使われているかご紹介しますね。
例えば、社内研修や人材育成を目的としたVRは多くの業界が活用しています。航空会社では飛行機の操縦訓練、医療現場では外科手術のシミュレーション、建設会社では危険体験を伴う安全教育など、再現性が難しい研修もVRを活用することで、よりリアルに体験することができます。
新型コロナウイルスの影響でVR普及が加速したのは、観光業界。全国の自治体や世界各国の観光地、旅行会社などが疑似旅行体験のできるVRコンテンツを提供しています。VRで体験すると満足感が得られますが、「次はリアルで体験したい!」と期待値を高めることもできるので、実際の訪問にもつながるようです。
そして、販売のシーンでもVRは大活躍です。
自動車業界ではゴーグルを着用して全車種・全グレード・全カラー、車内の細部までをリアル再現した「バーチャルショールーム」が登場。写真やCGだけではイメージできないサイズ感や車内環境が体感できます。
アパレル業界では、実際に店舗で商品を見て回り、手に取って選んでいるようなショッピング体験ができる「バーチャルショップ」が注目されています。商品を見せるだけでなく「思うままに店内を回って選ぶ」というショッピング体験の提供を重視したサービスです。
VRではモノを選んで買うだけではなく、疑似体験やリアル体験が求められているようです。
その他にもスポーツ観戦、スポーツトレーニング、学校教育など幅広く活用されているVR。まだ体験したことのない人は、ぜひemoHのサイトでWebVRのモデルルームを体験してみてください!
モデルルームもVRが主流に!
画像提供:デジタルスタジオ ガラパゴ
不動産業界では数年前からVRモデルルームが導入されています。リアルモデルルームが無くなったわけでなく、両者のメリットが上手に活用されています。
コロナ禍以前は、ショールームでゴーグルを着用して、物件の中に入り込んだような体験をしたり、実際のモデルルームを見た後に異なる間取りやインテリアをVRで確認するのが主流でした。
コロナ禍以降は、自宅に居ながら物件の詳細を見るWebVRへとシフトしています。
emoHのサイトには、現在販売中の沖縄県内の新築分譲マンションのWebVRモデルルームが集結!リアルモデルルームを見に行く前に、emoHの中で好きな時間に好きなだけ内覧し「これだ!」と思う物件を絞り込むことができます。
WebVRモデルルームで確認し、リアルモデルルームで確信する。これが令和の「マンションの選び方」です!
まとめ
ゲームやエンターテインメントだけではない、VR。可能性はさらに広がり、今後ますます私たちの生活に関わってくることでしょう。
「家」の選び方もどんどん進化し、今までとは違うスタイルになるのは明確です。次回はVRモデルルームを活用した物件の選び方など、さらに詳しくご紹介します!
取材・文/仲西なほ子